冬にかけて多くなる「脳卒中」!の予防法は?

脳卒中は、発症すると後遺症が残ってしまうケースや、最悪の場合命を落としてしまうケースがある、怖い病気です。しかし、日常生活習慣を見直すことで、発症を予防できる可能性があります。そこで今回は、脳卒中についての概要や予防の重要性、予防法を解説します。

1.脳卒中予防の重要性

脳卒中は後遺症や再発のリスクが高い疾患であり、QOL(生活の質)に大きく影響するため、予防が重要です。

脳卒中を発症した人のうち半数近くの人が10年以内に再発することがわかっています。また、脳卒中には運動麻痺や感覚麻痺、視野障害、構音障害、精神症状、排泄障害、嚥下障害、高次機能障害などさまざまな後遺症のリスクがあります。これらの機能は生活に欠かせないものばかりであり、これまで健康だった高齢者が一気に要介護状態へと陥ってしまう原因になるのです。

これらのことからわかるように、高齢者が健康的に長生きするためには、脳卒中の予防が重要なのです。



2.脳卒中になりやすいのはどのような人?


脳卒中になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。


高血圧がある人

コレステロール値が高い人

糖尿病がある人

肥満・太り気味の人

喫煙・飲酒習慣のある人

ストレスをためやすい人


なかでもとくに、高血圧は脳卒中の原因として最も多く、注意が必要です。高血圧は血管を傷つけてしまいやすく、ラクナ梗塞の原因になります。臨床では、収縮期血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上であれば高血圧症と診断されます。高血圧は服薬などによってコントロールができるため、日頃から血圧を測定し、気になる際はかかりつけ医を受診しましょう。


3.脳卒中の予防法


高血圧をコントロールする

先述のとおり、脳卒中を発症する原因のなかで最も多いのが高血圧です。もともと高血圧を指摘されている人は、医師の指示にしたがって必要に応じた服薬を継続しましょう。それ以外にも、塩分を控えたり、血圧を低下させる作用のあるカリウムやカルシウムなどのミネラルを積極的に摂取するのも大切です。


バランスの良い食生活を心がける

バランスの良い食事は、あらゆる疾患の予防につながります。脳卒中発症の原因になり得る高血圧や糖尿病、脂質異常症などを予防するためにも、栄養バランスに気を付けましょう。


禁煙する

喫煙は、血管を収縮させ、脳卒中のリスクを高めてしまいます。これまで喫煙習慣のあった人がいきなり禁煙するのは簡単なことではありません。強い意志を持つことはもちろん、必要に応じて禁煙外来を利用するなど、周囲のサポートを受けながら禁煙に取り組んでみてはいかがでしょうか。


飲酒を控える

過度な飲酒は、脱水状態を引き起こしやすくなったり、飲酒とともにする塩分の多い食事などによって血栓ができやすい状態となったりすることで、血管を傷つける可能性があります。飲酒はたしなむ程度にとどめることをおすすめします。


運動をする

脳卒中予防には、運動も効果的です。適度な運動は、全身の血流を促進し、血管を詰まりにくくします。肥満予防にも効果的です。散歩やウォーキング、水泳など好きなものでかまいませんので、運動習慣をつけましょう。

ただし、高血圧により血圧が変動しやすい人や心血管疾患がある人は注意が必要です。運動による負荷が強くなりすぎないよう、かかりつけ医に相談したうえで、自分にとって最適な方法で運動を取り入れましょう。


ストレスをためこまない

過剰なストレスは、不整脈を引き起こすリスクがあります。ストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、自分なりのストレス発散方法を見つけることが重要です。



4.日本脳卒中協会の「脳卒中予防十か条」


日本脳卒中学会は、脳卒中予防十か条を掲げています。参考にしてみてください。


☆ 手始めに 高血圧から 治しましょう

☆ 糖尿病 放っておいたら 悔い残る

☆ 不整脈 見つかり次第 すぐ受診

☆ 予防には たばこを止める 意志を持て

☆ アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒

☆ 高すぎる コレステロールも 見逃すな

☆ お食事の 塩分・脂肪 控えめに

☆ 体力に 合った運動 続けよう

☆ 万病の 引き金になる 太りすぎ

☆ 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ


今回は、脳卒中の予防方法について解説しました。

これからの季節、冬の寒さが本格化していきます。寒いところでは血管が収縮しやすいこと、寒いところと暖かいところとの差により血圧が変動しやすいことなどから、冬場はとくに脳卒中に注意したい季節です。

脳卒中予防法を心がけて生活してみてください。

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